Facebook(meta)広告は、ターゲティングの精度が高く、企業や個人事業主が効果的に集客や販売促進を行うための強力なツールです。しかし、広告を出稿しても期待した成果が得られない場合、設定や運用に問題があるかもしれません。特に「コンバージョン設定」が適切でないと、広告の効果が十分に発揮されないこともあります。
この記事では、Facebook(meta)広告のコンバージョン設定手順を詳しく解説し、成果につながらない場合の対処法についても紹介します。
Facebook(meta)広告におけるコンバージョンとは
Facebook(meta)広告における「コンバージョン」とは、広告によってユーザーが起こす「最終的な成果や目的」を指します。これにはさまざまなアクションが含まれ、ホームページを訪問したユーザーが特定の行動を取ることを意味します。例えば、商品購入や資料請求、セミナー申し込み、会員登録などが代表的なコンバージョンの例です。
具体的なコンバージョンの例は以下の通りです。
・商品の購入
・セミナーへの申し込み
・有料サービスへの加入
・会員登録
・Webページの閲覧
・お問い合わせ
達成したいコンバージョンを明確にしておくことが、効果的な広告運用の鍵となります。もし「なんとなく」で広告を出稿してしまうと、期待通りの成果を得ることは難しいでしょう。
業界別のコンバージョン率(CVR)
ここでは、Facebook(meta)広告の業界別CVRを表にまとめました。
業界 | 平均CVR |
衣服 | 4.11% |
自動 | 5.11% |
BtoB | 10.63% |
美しさ | 7.10% |
消費者サービス | 9.96% |
教育 | 13.58% |
雇用と職業訓練 | 11.73% |
金融と保険 | 9.09% |
フィットネス | 14.29% |
家の修繕 | 6.56% |
健康管理 | 11.00% |
産業サービス | 0.71% |
法律上の | 5.60% |
不動産 | 10.68% |
小売り | 3.26% |
テクノロジー | 2.31% |
旅行とホスピタリティ | 2.82% |
まず、フィットネス(14.29%)や教育(13.58%)、雇用と職業訓練(11.73%)、健康管理(11.00%)などの業界は特にCVRが高い傾向です。個人の生活に密接に関わり、具体的な利益や変化が期待できるため、消費者が広告からアクションを起こしやすいと考えられます。
一方、産業サービス(0.71%)やテクノロジー(2.31%)、旅行とホスピタリティ(2.82%)などの業界はCVRが低い傾向にあります。産業サービスは特定の企業向けのサービスが多いため、一般消費者がアクションを取るケースが少ないことが理由かもしれません。また、旅行業界では商品の価格が高く、購入までの決断に時間がかかることが影響していると推察されます。
コンバージョン測定を利用したほうがいい理由
広告を効果的に運用するためには、ただ広告を出稿するだけでは不十分です。コンバージョン測定を行うことで、どれだけの成果が上がっているのかを把握し、広告運用の効率を最大化することが大切です。ここでは、Facebook(meta)広告を用いたコンバージョン測定のメリットについて紹介します。
広告運用の正確なコストパフォーマンスが分かる
Facebook(meta)広告のコンバージョン測定を行う最大のメリットは、広告運用の費用対効果を正確に把握できる点にあります。Facebookは、実名登録制と高度なターゲティング機能を備えており、ターゲット層へのリーチが正確であるため、信頼性の高いデータを基に成果の測定が可能です。
コンバージョン測定の際、特に注目すべき指標の一つがCPA(顧客獲得単価)です。CPAは、広告費に対して一人の顧客を獲得するためにかかる費用を示すもので、この指標を知ることで広告の効率を評価できるため、コストパフォーマンスの改善に役立ちます。
自動広告機能を利用してコンバージョン設定を最適化できる
Facebook(meta)広告には「自動広告」という機能があり、コンバージョン測定を行うことで、広告運用が自動的に最適化されるようになります。具体的には、広告を表示するユーザーの選定、広告費の調整、クリエイティブの組み合わせなどがFacebookのアルゴリズムによって自動で調整され、CPAやCVRの改善が図られます。常に最新のデータを基に広告運用を最適化するためには、正確なコンバージョン測定が必要です。
リーチ範囲を拡大できる
Facebook(meta)広告では「類似オーディエンス」を活用すると、ターゲットとなるユーザー層をさらに拡大できます。類似オーディエンスとは、既存のターゲットユーザーと似た属性を持つユーザー層を自動で抽出する機能で、新規の潜在顧客にアプローチする際に非常に効果的です。広告のリーチ範囲を効率的に拡大でき、より多くのコンバージョンを獲得するチャンスが広がります。

Facebook(meta)広告のコンバージョン設定手順
ここでは、Facebook(meta)広告におけるコンバージョン設定の手順を解説します。正しい設定を行うことで、広告の効果を最大限に引き出し、成果をしっかりと測定を行いましょう。
①Facebookピクセルを作成する
Facebook(meta)広告のダッシュボードから「広告アカウント設定」を選び、「全てのツール」に進んだ後、「ビジネス設定」をクリックします。
次に、「ビジネス設定」メニューの左下にある「データソース」を選択し、その中の「ピクセル」をクリックします。すると、画面中央に「追加」ボタンが表示されるため選択。
「ピクセルを使用してウェブサイトアクティビティをリンク」という画面が表示されたらコンバージョンを測定したいWebサイトのURLを入力します。続いて「次へ」をクリックして、次の画面に移動します。
画面に「ピクセルを今すぐ移動しますか?」と表示されたら、ピクセルの設定を行うために「ピクセルを今すぐ設定」を選択すればFacebookピクセルの作成が完了です。
②作成したFacebookピクセルを設置する
作成したFacebookピクセルをWebサイトに設置する方法は、主に2通りです。
・手動で設置
手動でFacebookピクセルを設置するには、広告マネージャーの「すべてのツール」から「イベントマネジャー」を選択します。左側の「データソース」をクリックし、「ピクセルの設定を続行」を選びます。
次に「ウェブイベントを設定」というポップアップが表示されるため、Metaピクセル(Facebookピクセル)を選び、「リンクする」をクリックして次の画面へ。「ピクセルを使用してウェブサイトアクティビティをリンク」という画面が表示されたら、「ピクセルコードを手動でウェブサイトに追加」を選択し、「コードを手動でインストール」をクリックします。
表示されたベースコード(JavaScriptタグ)をコピーし、Webサイトの<head></head>内に貼り付けます。設置方法を誤ると、Facebookピクセルが正常に作動しないことがあるため、注意が必要です。
・Googleタグマネージャーで設置
GTMにアクセスし、「タグマネージャー」→「無料で利用する」をクリックします。まだアカウントをお持ちでない方は、「アカウント作成」から新しいアカウントを追加し、必要情報を入力して「作成」を選択。
次に、Facebook(meta)広告の「ビジネス設定」から「他のパートナーの選択」で「Googleタグマネージャー」を選択します。「次へ」を2回クリックすると、Facebook(meta)広告とリンクする画面が表示されるため、GTMのアカウント名を入力して「設定を終了」をクリックすれば設置完了です。
③測定方法を選択する
Facebook(meta)広告のコンバージョン測定方法には、標準イベントとカスタムコンバージョンの2種類あります。
・標準イベント
標準イベントとは、Meta(Facebook)が定義したアクションのことです。「問い合わせ」「購入」「日時を指定」など、13種類の定義済みアクションから、自社に適したものを選択してコンバージョンの最適化と測定を行います。
・カスタムコンバージョン
カスタムコンバージョンは、標準イベント以外の特定のアクションを測定するために使用します。一般的には標準イベントでカバーできるものが多い傾向ですが、自社独自のコンバージョン設定も可能です。例えば、ユーザーがWebサイトを上下にスクロールした際のアクションをコンバージョンとして設定できます。
④Facebookピクセルの設置が正しいか確認する
Facebookピクセルの設置が完了したら、正しく機能しているかを確認することが重要です。確認は「データソース」から行います。「データソース」を選択し、「テストイベント」のタブをクリックします。
次に、画面の左下にある「ブラウザーイベントのテスト」の入力欄に、Facebookピクセルを確認したいWebサイトのURLを入力し、「ウェブサイトを開く」をクリック。
この操作で入力したURLのWebサイトに遷移しますが、そのまま何も操作せずにFacebookの広告マネージャーに戻りましょう。Facebookピクセルが正しく設置されていれば、イベントに反応し、ピクセルが正常に機能しているかどうかを確認できます。
コンバージョンが予想より増えないときの対処法
ここでは、コンバージョンが予想よりも増えないと感じたときに試したい対処法を解説します。広告のパフォーマンスを向上させ、より多くの成果を得られるよう、ぜひ参考にしてください。
コンテンツとクリエイティブを見直す
広告のクリック数を増やすためには、クリエイティブの工夫が欠かせません。画像を用意する際は、正方形の画像がおすすめです。正方形の画像は、Facebookのフィードで目を引きやすい傾向があります。
また、鮮明で高品質な画像は、ユーザーに良い印象を与えます。何に注目すべきかが分かるように、デザインはシンプルにまとめましょう。情報を詰め込みすぎると逆効果になることがあるため、要点を絞ってテキストを配置します。
また、画像の代わりに動画を使用するのも、ユーザーの興味を引く効果的な手法です。特にスマートフォンでの視聴が主流となっている現在、縦型動画は非常に効果的といえます。また、多くのユーザーが音声をオフにしたまま動画を見るため、視覚的にメッセージを伝えられる内容にしましょう。短い動画の方が視聴されやすく、記憶に残りやすいため、15秒以内を目安にするのがおすすめです。
ABテストを実施して有効打を明確化する
A/Bテストは、どの広告がユーザーの反応を得られるかを把握するための有効な手段です。さまざまな要素(クリエイティブ、コピー、ターゲティングなど)を比較し、どの組み合わせが最も効果的かを見極められます。A/Bテストを繰り返すことで、改善点を見つけやすくなり、結果を広告制作に活かすことが可能です。
オーディエンス機能を調節する
ターゲティングの設定は広告の成果に大きく影響します。ターゲティングを絞り込みすぎている場合、広告のリーチが狭まり、本来なら広告に興味を持つ可能性があるユーザーを逃してしまうことがあります。一方で、ターゲティングが広すぎると、反応が薄いユーザーに広告が表示されることも。ターゲティングを行う際は、バランスを考え、最適な範囲を見つけることが大切です。
まとめ
Facebook(meta)広告のコンバージョン設定や運用において、成果が期待したほど得られないことは少なくありません。しかし、いくつかの具体的な対策を講じることで、広告のパフォーマンスを改善し、より多くの成果を上げることが可能です。
今回紹介した対処法を実践することで、Facebook(meta)広告のコンバージョンを増やし、最終的にはビジネスの成長につなげられるでしょう。広告運用の成果を最大化するためには、常にデータを分析し、改善策を講じることが不可欠です。