SNSは利用ユーザーが多く、企業がターゲットにアプローチできる有効な手段です。なかでもFacebook(meta)広告はターゲティング機能(オーディエンス)が充実しており、精度の高い広告配信が可能です。
しかし、機能を最大限活用するには、ターゲティング機能の特性を理解しておかなくてはなりません。今回は、Facebook(meta)広告のターゲティング機能について解説します。
Facebook(meta)広告とは
Facebook(meta)広告とは、SNSのFacebook(meta)を運営しているMetaの広告プラットフォームです。豊富な機能と高い操作性により、初めてのSNS広告でもスムーズに運用を開始できます。
最大の特徴は、実名登録による高精度のデータを広告に活用できるところです。Facebook(meta)は実名や電話番号といったリアルの情報をアカウントと紐付けなければならないため、匿名アカウントの作成が困難です。そのため広告運用で収集するデータに「嘘」や「偽物」が混じりにくく、信頼性の高いデータを基に広告を配信できます。
またFacebook(meta)広告では、InstagramやAudience NetworkといったMeta社の関連SNSや提携アプリケーションにも配信できます。Audience Networkとは、Meta社と提携しているアプリケーションやWebサイトのことです。
Facebook(meta)広告を利用すれば、SNSに限らすアプリケーションにも広告を出稿できます。純広告の依頼は掲載先次第で莫大なコストがかかるといわれるため、Facebook(meta)広告として配信できる効果は大きいといえるでしょう。
Facebook(meta)広告における3つのターゲティング
Facebook(meta)広告を運用するうえで欠かせない機能が「オーディエンス」です。Facebook(meta)広告には「コアオーディエンス」「カスタムオーディエンス」「類似オーディエンス」の3つのターゲティング設定が用意されており、効果的に広告を運用するにはこれらの機能を使いこなさなければなりません。ここでは、代表的な上記3つの特徴について解説します。
コアオーディエンス
コアオーディエンスは、Facebook(meta)ユーザーの登録情報を活用してターゲットを絞り込むフォーマットです。オーディエンス機能のなかでも、最もスタンダードといえるでしょう。
こちらでは、年齢・性別・居住地・興味・行動履歴など、幅広い属性や行動データを基にターゲットを設定します。前述したようにFacebook(meta)は実名登録が基本のため、情報の信頼性は高めです。「データが不正確で成果がでない」といった問題が起きにくいため、広告運用の評価、改善を効果的に行えます。
コアオーディエンスでは、上記の基本データのほかにも以下のターゲティング機能が備わっています。
詳細ターゲット | 「趣味・関心・利用者層・行動・その他」といった項目から、より詳細にターゲットを絞り込める機能 |
つながり | いいね!やイベント参加など、自社のFacebook(meta)アカウントに興味を示した人をリターゲティングする機能 |
AND条件 | ふたつの条件を設定し、両方に一致するユーザーを対象にする機能 |
OR条件 | 複数の条件を設定し、特定の項目に一致したユーザーを対象にする機能 |
広告運用する際は、まず自社のターゲット層の解像度に合わせて、コアオーディエンスを設定しましょう。
カスタムオーディエンス
カスタムオーディエンスは、自社が保有している顧客データを活用してターゲットを設定するフォーマットです。例えば、顧客のメールアドレス・電話番号・ウェブサイトの訪問履歴を利用することで、既存顧客やリードに対して広告を配信できます。
カスタムオーディエンスで活用できるデータは、主に以下の通りです。
・Webサイトトラフィック
・カスタマーリスト
・アプリアクティビティ
・オフラインアクティビティ
・カタログ
・動画
・Instagramアカウント
・ショッピング
など
事業がスタートアップだとデータが不足しているため、カスタムオーディエンスは活用できません。しかし、事業や広告運用を継続するとデータが蓄積されるため、ある程度事業が軌道に乗り始めた段階で実施するとよいでしょう。
類似オーディエンス
類似オーディエンスは、カスタムオーディエンスのデータセットを基に、そのターゲットと類似した属性や行動パターンを持つ新しいユーザーへ配信する機能です。この機能を利用することで、同様のニーズや興味を持つ潜在顧客にリーチしやすくなり、新規顧客の獲得が期待できます。
「詳細ターゲット設定」の活用方法
コアオーディエンスで紹介した「詳細ターゲット」の機能は、うまく活用することで高精度のターゲティングが可能です。こちらでは、本機能の具体的な活用方法について解説します。
広告の配信対象を絞り込む
Facebook(meta)広告は、クリックまたは表示回数に応じて広告料が発生するスタイルです。予算をムダ遣いしないためにも、見込みの高いユーザーに絞り込んで配信しなければなりません。
詳細ターゲットでは具体的な条件を追加し、特定のユーザー層に対してのみ広告を配信できます。コアオーディエンスの基本情報だけだと絞り込みが足りない可能性があるため、自社で判明している範囲の条件を詳細ターゲットで設定しましょう。
除外設定で配信しないユーザーの条件を指定する
詳細ターゲット設定のもう一つの強力な機能は、広告を配信しないユーザーの条件を指定できることです。「リーチに絶対つながらない」や「リーチにつながらないが設定上対象に含まれてしまう」といったユーザーを配信対象から除外できるため、効率的な広告運用が可能です。
ただし本機能は、2024年7月29日から使えなくなっています。そのため特定のユーザーを除外するには、「OR条件」やカスタムオーディエンス上の除外設定をうまく活用しましょう。
Facebook(meta)広告でターゲティングする際の注意点
Facebook(meta)広告では詳細なターゲット設定をできますが、実際に絞り込む際にはいくつか注意すべき点があります。ターゲティングの自由度が高い反面、扱いには気をつけなければなりません。
初期段階からターゲットを絞り込みすぎない
広告運用の初期段階では、ターゲットを絞り込みすぎないことが大切です。最初からターゲットを狭めすぎると、かえって広告のパフォーマンスが低下し、十分なデータが蓄積されない可能性があります。まずは広めのターゲット設定で開始し、徐々にデータを蓄積させて詳細な絞り込みを行いましょう。
各オーディエンスのターゲティング設定を重複させない
複数のオーディエンスを設定する際は、条件が重複しないように注意しなければなりません。ターゲティングが重複すると広告同士が競合してしまい、広告運用の効率が落ちてしまいます。
作成したオーディエンスは保存しておく
一度設定したオーディエンスは保存しておくことで、次回以降の広告キャンペーンに使い回せます。また複数のオーディエンスを比較して効果を検証することで、違う目的や製品で広告運用する際に、別のオーディエンス設定が効果を発揮するかもしれません。一度作ったオーディエンスは、大切に保管しておきましょう。
Facebook(meta)広告でターゲティングする際のポイント
Facebook(meta)広告のターゲット設定は、データの収集が重要です。とくに類似オーディエンスによる潜在層へのアプローチは強力なため、カスタムオーディエンスに反映させるデータの収集が、広告運用の成否に大きく影響します。
そのため事業を継続していくうえで蓄積されたデータは、積極的にFacebook(meta)広告に反映し、カスタムオーディエンスのデータセットを充実させましょう。
まとめ
Facebook(meta)広告の広告運用では、コアオーディエンス・カスタムオーディエンス・類似オーディエンスの活用が必要不可欠です。自社のペルソナ(解像度の高いターゲット像)に基づいた属性の設定と、自社データを反映させたカスタムオーディエンスで、高効率の広告運用を実現しましょう。