コンバージョンによって広告の効果を可視化できますが、内容によっては希望する粒度の効果を測定できないケースがあります。そこで、イベント項目を個別設定できるカスタムコンバージョンが効果的です。
この記事では、Facebook(meta)広告におけるカスタムコンバージョンの内容や設定方法について紹介します。Webマーケティングの実務に役立つ知識が身につくでしょう。
カスタムコンバージョンとは
カスタムコンバージョンとは、計測するイベントを独自の内容に設定し、詳細な広告効果を測定する指標です。多くの広告に適用できるような標準的な項目も用意されていますが、商材や目的によって項目をカスタマイズすることで真に知りたい宣伝効果を計測できます。
Facebook(meta)におけるコンバージョンの意味
Facebook(meta)におけるコンバージョンとはWebサイトにおける最終的なゴールを指します。提供する商材や運用目的によって定義は異なりますが、商品の購入を最終ゴールに設定するのであれば、購入ボタンのクリックが該当するでしょう。
目標とする指標の達成率を分析することで、広告を打ち出した効果がゴールに紐づいているか確認できます。
標準イベントとカスタムイベントの違い
コンバージョンには標準イベントとカスタムイベントの2種類があります。具体的な違いは次の表の通りです。
標準イベント | カスタムイベント | |
計測内容 | 多くの商材や運用目的で活用できるもの | 標準イベントでは計測できない個別具体的なもの |
コードの要否 | イベント設定にコードの知識が必要 | コードの知識は不要 |
導入のハードル | 高い | 低い |

カスタムコンバージョンのメリット
独自の評価基準を設けたい場合に有効なカスタムコンバージョンについて、導入による具体的な4つのメリットを紹介します。
BtoB分野におけるコンバージョン率が高い
メリットの一つ目は、他のプラットフォームと比較してコンバージョン率が高くなることです。また、BtoB分野で高いパフォーマンスを発揮します。具体的な比較結果は次の通りです。
Facebook(meta) | ||
全体 | 9.21% | 3.75% |
BtoB分野 | 10.63% | 3.04% |
Facebook(meta)以外にも応用が利く
二つ目のメリットは、内容を一度マスターしていれば、ターゲットや商材が変わっても、別のプラットフォームで同じように設定できます。なぜなら、大まかな概念は共通しているためです。
カスタムコンバージョンを設定できる具体的な媒体名は次の通りです。
- Yahoo!
- LINE
知識を習得した後は様々な媒体でも活用してみましょう。
必要知識のハードルが低い
カスタムコンバージョンは標準コンバージョンと違い、設定時に必要なコード知識のハードルが低いこともメリットです。そのため、初心者であればカスタムコンバージョンをおすすめします。
ただし、最低限のHTMLやGTMの知識は必要です。具体的な運用の前に、一度自己学習しておきましょう。
測定結果の信頼性が高い
Facebook(meta)広告は基本的に実名登録です。そのため、測定結果として信頼性の高いデータが得られます。匿名性の高いSNSなどで広告運用した場合、業者によるなりすましアカウントがコンバージョンを達成しているかもしれません。また、同一人物が複数の別アカウントを運用していれば、重複した結果が得られるでしょう。
Facebook(meta)は実名で運用している人が多いため、真の状況に近い結果を入手できることがメリットです。

カスタムコンバージョンの設定方法
ここからは、カスタムコンバージョンの設定方法について紹介します。次の手順を参照ください。
【ベースコードの発行、設置について】
- イベントマネージャ上のアカウント画面から、画面左の「データソースをリンク」をクリック。
- データセット名を入力し「作成」をクリック。手動設定する場合は、次の画面で「ウェブサイトがない」にチェック。
- 「コードを手動でインストール」をクリック。
- 「コードをコピー」を選択し、コピーしたものをテキストファイルに保存。
【カスタムイベントコードの発行、設置について】
- イベント名を決め、カスタムコードを埋め込むことで完了
- Google Tag Managerにてカスタムイベントコードを設置する場合、TOPページ左のタブから「タグ」を選択し「新規」ボタンをクリック
- タグ名を指定し、「タグの設定」をクリック
- 画面右側の「カスタムHTML」をクリックし、カスタムイベントコードを貼り付け、「詳細設定」をクリック
- 「タグの順序付け」から設定項目を選択し、トリガーを設定して保存
【管理画面上でカスタムコンバージョンの設定】
- イベントマネージャ上で該当項目を選択し、「カスタムコンバージョンを作成」をクリック。
- 名前を指定し、カスタムイベントを選択、ルールを設定。
Facebook(meta)ピクセルの設定方法
Facebook(meta)ピクセルはWebサイトのデータ収集に必要なコードのため、設定方法を理解しておきましょう。
【設定方法】
- 管理画面において、「その他のツール」から「イベントマネージャ」メニューを選択。
- 「新しいデータをリンクする」の画面になったら「ウェブ」を選択し、「Facebook(meta)ピクセル」を選択。
- 名称を設定。
- 続いて、イベントマネージャ上で作成したピクセルを選び「ピクセルの設定を続行」をクリック。
- 「コードを手動でインストール」を選んだあと、表示されたベースコードをWebサイト内の<head>内にコピペ。
カスタムコンバージョンの設定でよくあるトラブルと対処法
カスタムコンバージョンの設定は標準イベントの設定と比べると簡単ではあるものの、設定を誤るとトラブルに発展します。そのため、ここでは、よくあるトラブルの内容と対処法について紹介します。
計測漏れが起こる
よくあるトラブルにコンバージョンの計測漏れが挙げられます。URLのタイプミスやピクセルの設定ミスが原因として多いようです。
改善につながらない場合は、ピクセルの再設定が有効かもしれません。ただし、コンバージョンがアクティブになるまで時間がかかることもあるため、判断には少し時間をおくことをおすすめします。
コンバージョンがアクティブにならない
カスタムコンバージョン作成後にアクティブにならない場合は少し待ちましょう。一定時間を要するためです。
もし、時間をおいても変化がない場合、コンバージョン設定したURLページをFacebook(meta)経由で確認しましょう。サイトを経由することでピクセルの作動を促せます。
それでも変わらなければ、Webサイトにピクセルが反映されていないかもしれないため、指定の位置に記述されているか確認しましょう。
カスタムコンバージョンの注意点
活用できれば様々な視点から効果を計測できますが、万能な機能ではありません。運用上注意しなければならないポイントがあります。ここでは、カスタムコンバージョンを活用するうえでの注意点について紹介します。
ほかの分析ツールと測定結果がズレやすい
Facebook(meta)広告のコンバージョンは独自のアルゴリズムで計測されています。そのため、ほかの媒体との測定結果がズレるかもしれません。
例えば、Googleアナリティクスを併用している場合、計測結果はFacebook(meta)広告の方が高めに算出されるようです。異なる媒体間で同じ条件を設定している場合、必ず数値を比較しましょう。
「オーディエンス」の機能を設定できない
オーディエンス機能とは、任意で限定したユーザーに広告を表示させる仕組みです。しかし、カスタムコンバージョンにおいてはオーディエンス機能を設定できません。
とはいえ、設定をそのままオーディエンスには流用できないだけで、別のリストを作成すれば機能を設定できます。
まとめ
今回、Facebook(meta)広告におけるカスタムコンバージョンについて紹介しました。自社の商材や運用目的に沿ったデフォルトがない場合において、カスタムコンバージョンの活用は有効な手段です。他のプラットフォームに比べてもコンバージョン率が優れているため、Web広告の運用には欠かせません。
本記事では具体的な運用方法についても紹介しているため、これから広告運用を検討している方はぜひ活用してみてください。